ストロボビジョン
(ストロボとカメラを連動させた静止画取り込みシステム) 2009/03/30
はじめに
動きの早い被写体の写真を撮る時に、シャッタースピードを上げたり、ストロボを使って動きが止まった状態
の写真をとることがよくあります。 (特殊効果を狙ってわざとスローシャッターを切ることもありますが。)
ビデオカメラを使用した画像の取り込みにおいても同様の手法が考えられますが、撮像素子の関係で、
高速シャッターを使用するのは難しい側面があります。
勿論 HARP(High-gain Avalanche Rushing amorphous Photoconductor)等を利用すれば、実現できますが、
撮像素子部のみの価格が200万円以上してしまいますので、余程の特殊用途でなければ、利用は難しいと
言わざるをえません。 それ故、高速度物体を静止状態で取り込む手法として、ストロボと同期させる撮影
方式の優位性が出てきます。 ストロボ同期方式では、特殊な撮像素子を使用せず入手可能な素子が利用
できますので、価格的に非常に優位になります。 ストロボや同期回路等、別途専用のハードウエアが必要
になりますが、特殊素子を使用したシステムの価格から比べれば、問題外のコストです。
(大容量のストロボを使用する都合上、利用できる環境に制限はあります。)
ストロボカメラの動作
- 外部装置で、ストロボ発光のタイミングを作ります。
- ストロボ発光用の信号に同期して、カメラから画像データが取り込まれ、コンピュータの画面に表示されます。
- コンピュータの画面には、次の画像が取り込まれるまで、同一の画像が表示され続けます。
(画像処理を行う場合は、処理画像が表示されます)
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回転体に複数の写真が貼り付けられている状態
下部に見える四角い部分がストロボ一体型カメラ |
ストロボにより、瞬間の画像を取り込んだ状態
制御装置と映像表示用コンピュータ(ソフトを含む) |
NTSC(640x480画素)のタイプは良く見かけますが、SXGA(1280×1024) タイプはまだ少ないようです。
(アナログのNTSC信号をA/D変換して取り込む方式が多かったので、NTSCと表記しています。)
デジタル処理用の入力システムとしては、VGA(640x480)では不十分で SXGA クラスは欲しいところです。
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特徴について
VGAクラスの低解像度製品は多くあります。 また、ラインセンサーを用いた高解像度タイプも
多く存在しています。 ただし、この中間に位置する、解像度が 1024x1024 ~ 2048x2048クラス
の操作性に優れた機器はあまり目にしません。 今回のこのストロボカメラは、1280x1024画素で、
1秒間に20フレーム弱の取り込みが可能なタイプなので、丁度このギャップを補間出来る点です。
(画像処理を行う場合は、処理画像の内容により表示速度は影響されます。)
このクラスの機器の潜在にニーズは、かなり高いと考えられますし、定価は150万円以上ですが、
売価が150万円(売価 1,480,000円)
を切るのは珍しいはずです。 品質検査機器や監視機器と
してのニーズが想定されますし、複数箇所の同時検査等の拡張(オプション)にも対応出来ます。
機器構成及び付属ソフト
ストロボ一体型カメラ 1式
ストロボ制御装置 1式
映像表示用コンピュータ 1式
(モニター、専用画像表示ソフトウエアを含む)
最後に
コンシューマー向け製品ではないので高額商品ですが、このクラスで売価が150万円以下の製品は、
非常に安価な部類に属します。 画像の入力サイズが、SXGA でこの価格帯の製品を探すのは難しい
と思いますので参考にして下さい。
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